業務用の印刷機器には「コピー機」、「複合機」、「複写機」などさまざまな呼び方がありますが、単語だけを聞けばどれも同じもののように思えるかもしれません。見た目の違いもほとんどありません。これらの機器にはどのような違いがあるのでしょうか。その違いについて解説します。
【目次】
*「複写機」と「コピー機」は同じ意味でコピーしかできない印刷機器
*「複合機」はコピー・プリンター・FAX・スキャンの4つの機能をもつ事務機器
*まとめ:「複写機」と「コピー機」は基本的に同じで「複合機」は多機能
結論からいいますと、「複写機(ふくしゃき)」と「コピー機」は基本的に同じ意味で使われています。紙を複写するコピー機能だけが搭載されている機械で、FAX機能やプリンター機能、スキャン機能は搭載されていない機械を指します。
複写機はもともと1779年にジェームズ・ワットによって発明されたものとされていますが、「複写機」という表現はやや古い時代の表現かもしれません。最近は「コピー機」といわれるのが主流です。
「コピー機」とは、原稿を読み取り、感光体にトナーを付着させ、紙に転写する機能、つまり複写機能(コピー機能)をもった印刷機器のことを指します。
そのため、複写機能がある印刷機器=コピー機ということになりますが、実際のところ、現在では複写機能しかないコピー機がほとんど存在せず、ほかにもさまざまな機能がついた「複合機」が主流です。
複写機能以外にも多くの機能をもつ印刷機器は、厳密には後述する「複合機」に分類されます。しかし、複合機=多機能なコピー機という意味合いで、複合機のことを「コピー機」という人も一部いらっしゃいます。そのため、機器の注文のときなどにコミュニケーションエラーが起こることもありますが、FAX、プリンター、スキャナー機能があるかどうかを確認することでコミュニケーションエラーを防ぐことができます。
複写機とは、複写機能「のみ」が搭載されている印刷機器、つまりコピーしかできない印刷機器のことを指します。先に「複写機能がある印刷機器=コピー機」と述べましたが、現在では複写機能しかないコピー機というものはほとんど存在せず、コピー機は複合機と同じ扱いになっています。
これに対して、複写機はあくまで複写機能を持つのみで、複合機やコピー機のようなプリンター機能やFAX機能、スキャン機能はついていません。両面コピーなど、コピー印刷に関してある程度機能が充実している複写機もありますが、基本的には「できることはコピーだけ」というのが複写機、コピー機です。
オフィスにパソコンがあるのが当たり前になっている近年の状況では、プリンター機能は必須でしょう。そんな状況の中で、複合機ではなくあえて複写機、コピー機を選ぶケースはかなり少なくなっており、機種の選択肢も複合機と比べると物足りない状況です。
そのため、一般的には、オフィスの印刷機器には複写機、コピー機ではなく複合機が支持されています。
前述の複写機とコピー機の説明でも触れたとおり、複合機は多くの機能をもった印刷機器のことを指します。複合機に搭載されている複写機能以外の代表的な機能としては、プリンター機能、FAX送受信機能、スキャン機能の3機能が挙げられます。
かつてはコピーのための機器として、プリンター、FAX、スキャナーを用意しなければいけない時代もありましたが、これらの機能を集約した複合機が登場したことで省スペース・省コスト・省電力が実現しました。
中でもいま急速に普及しているのが、スキャン機能を使ったデータファイル化の機能です。スキャンして保存されたPDFファイルのパソコンからの検索、PDFファイルをワードファイルやエクセルファイルに変換して文字修正すること、また、受信したFAXを紙で出力することなくPDFファイルに変換して、指定のメールアドレスにメール転送させることも可能です。オフィスのペーパーレス化や経費削減への貢献のほか、テレワーク・リモートワーク環境にも重宝されています。
複合機の唯一のデメリットは、複合機一台に多くの機能が集約されているため、どこか一つにトラブルが起こった場合は複数の機能に影響をおよぼすリスクがあることです。
各メーカーではそのようなトラブルを防ぐため、遠隔リモート保守や訪問保守を万全な体制で整備しています。複合機NAVIでは、全国で最高品質のメーカーメンテナンスをご用意し、お客様とメーカーとの保守契約を業界最安値で実現しています。
複写機、コピー機、複合機の違いをまとめると以下のようになります。
*厳格にいえば、複写機とコピー機は基本的に同じものとして扱われており、コピー以外の機能がない事務機器
*厳密にいえば、複合機はコピー機能、FAX機能、プリンター機能、スキャン機能をもった事務機器
*複写機、コピー機、複合機の違いが分かりにくい理由は、市場では複合機のことを「コピー機」というケースがある。
コミュニケーションエラーを防ぐには、FAX機能、プリンター機能、スキャナー機能があるかどうかを確認し、それらがあれば「複合機」、その機能がなければ「複写機」または「コピー機」と判断できます。
複合機NAVIでは、お客様のご利用状況やご要望に応じて最適な機種選定をし、同じグレード、同じ仕様の各メーカーのお見積りを比較しながらご提案をさせていただきます。複合機選びでお困りの場合はお気軽にご相談ください。